「ただいまー……って、何だよ、克己いねーじゃん」
 自室を開けると電気もついていない寒々しい部屋だった。よくよく考えれば当然の事か、彼は今頃女子に告白されまくっているのだろう。モテる男は大変だ。
「……俺なんてこれだけなのに」
 持ってきた袋を横目で見て、翔はため息を吐いた。しかも、貰い物の貰い物だ。
 はぁ、とため息をもう一つ吐いて、制服を脱ぐ。手洗いうがいも忘れない。そこまで終わらせて、お楽しみのおやつの時間だった。
「一登瀬先輩が貰うもんだから、高級だろうなー」
 包装を解いてみればやっぱり高級そうなチョコレートだった。

1.食べる
2.食べない