『あー。そういえば確かにそこには氷の神殿があって、氷の女王という宝石が隠されているっていう伝説があるな。ウチの調査団も何人か行ってるが、生きて戻ってきた奴は一人もいない。本当かどうかも解からないネタだから軍では放っといていたんだが・・・・・・ああ、それとそのSRSの服を着た奴らは本当のSRS隊員じゃない。それになりすましている国際的指名手配になっている盗賊団だ。喋っている言葉は俺達と同じだったろう?出身等を気付かれない為に進入した国の言語を使っている。奴らが来たってことは伝説は本当だったようだな。お前らに任務だ。彼らの目的を打破し、氷の女王を発見、保護しろ。これをテストの課題とする。文化遺産保護だぞ』


「だ、そうだ」
電話をした克己の説明に洞窟内が一気に冷え込んだ。
本物のSRS相手ではない、という辺りは不幸中の幸いだが、あまりにも軽い本部の判断には肩を落とすしかない。
実は少し、テストが中止になるんじゃないかと皆期待をしていたのだ。
「文化遺産保護ね、今まで戦争のたび他国の遺跡を破壊してきた奴らから、こんな気の利いた冗談を聞けるとは思わなかったな」
和泉が深いため息を吐くと、茫然としていた木戸が我に返り、
「こんなところで何の情報も無いのに宝探し!?上の連中はイカレていやがるのか!」
思わず立ち上がって不満をぶちまけるが、それは何の意味もなさない抵抗だった。
「イカれているというあたりは同感だ」
克己は極めて冷静で、小さな携帯電話の画面を眺め、そこに映し出された地図を眺めた。彼らもそれなりの良心があったらしく、この島の地図を何枚か送ってきたようだ。
「・・・・・・村があるな、小さいが」
昨日は猛吹雪で気が付かなかったが、山を越えた向こう側に小さな村がある。
「村があるなら、そこに行ったら何か情報が掴めるかもな」
翔もその小さな画面を横から覗き込み、その村の存在を確認した。
他の携帯電話にも地図が送られてきたらしく、和泉と木戸がそれぞれ確認するが、和泉は興味なさげにそれを中村に投げる。
「俺はごめんだ。何が悲しくてこの面子で仲良く宝探しなんてしないといけない」
「和泉、でもこれはテストで」
「テスト以外でも点数の稼ぎ方はある。大体、その村に行くのに山を一つ越える必要がある。そんな装備は持って来ていない。テスト云々の前に全滅間違いないな」
「でも、じゃあどうするんだ。本上の事も・・・・・・」
木戸はペアだった本上のことが気になるようで、珍しく焦っているようだった。
「今頃、奴らに殺されそうになっているかも知れないし、拷問にもあってるかもしれないんだぞ」
「アホらし。アイツなら拷問がわりに犯されて喜んでそうだけどな」
「和泉!」
あんまりな言い草に流石のお人好しの木戸も彼を鋭く睨みつける。
しょっぱなから仲間割れでどうするんだ。
このメンバーで協調性も何も無いだろうというのは予測出来ていたが、まさかここまでとは。
「和泉、いくらなんでもそれは言い過ぎだ」
翔が窘めたのも悪かったのか、和泉の視線がこっちに向けられるとす、とその眼が細くなり鼻で笑ってきた。
「とにかく、俺はこんな面子で宝探しなんてごめんだ」
「え。あんなに和泉君楽しみにしてたのに、止めちゃうの?宝探し」
その時、おろおろと口を開いたのが中村だった。
「昨日夜遅くまで頑張ってここの歴史とかネットで調べていたじゃないか。勿体ないよ」
蛇を抱き締めながら彼はあわあわと相棒を宥めていたが、そのやり方が不味かった。和泉はしばし硬直し、木戸と克己は彼に怪訝な視線をやった。
「・・・・・・楽しみ?」
「・・・・・・頑張って調べてた?しかもネット?」
ネットなんて出来る環境ではないはず。
けれど、確かに彼の荷物に眼をやれば最新型のノートパソコンらしいものが覗いている。
言い逃れが出来ない状況に和泉は軽く舌打ちをしていた。
「・・・・・・ネットじゃない。自分で作ったデータベースだ。悪いか!」
「じ、自分で、って和泉?何の為に」
木戸も予想していなかった出来事に怒りも忘れ、突然大声を上げた和泉に説明を求める。突っ込まれたくなかったところを突っ込まれてしまい、和泉の方ももう観念したようだった。
「世界の遺跡とそれに関する伝説、歴史をまとめたデータベースだ。何の為に?愚問だな、趣味だ!」
そこまではっきり言い切られてしまうと、いっそ清々しい男気さえ感じる。
簡潔で納得のいくカミングアウトにしばし洞窟内は静まり返った。一足早くその事に気付いていた中村は腕の中の蛇をのんびり撫でていたが。
「言っておくが、遺跡を宝箱の箱、もしくは一種のゲーム程度にしか思っていないトレジャーハンターとは違うからな。俺は遺跡とそこに伝わる歴史伝説が好きなんだ!」
熱弁してくれたのは、どうしても誤解されたくない点だったからだろう。たとえ、そんなに仲が良くない相手でも。いや、だからこそ勘違いして欲しくなかったのかもしれない。
「だからそこ!」
突然和泉が指したのは克己。いきなりの指名に少し驚いた風だったが
「お前は重要な遺跡内で何の考慮もせずドンパチやってくれそうだからな、絶対に遺跡には近づけたくない。血で汚してみろ、俺はお前を撃つ。勿論、遺跡の外でな!」
ああ、そういう意味での拒否だったのか、と和泉以外の全員がほぼ同時に思った。
「まぁ、何か意外な方面に心強いヤツが居たもんだな」
ぼそりと木戸が呟き、翔も苦笑してそれに同意する。これで村まで行かなくても歴史と伝説は完璧だ。
しかし、本当に意外だ。人間だから趣味の一つや二つ持っていてもおかしくないのだけれど、まさかあの和泉が遺跡好きだったとは。
「じゃあ、盗賊なんて言語道断だな」
克己は疲れたような息を吐きながら睨んでくる和泉に言う。
「当たり前だ」
「遺跡を汚されるのも嫌だろう?」
「勿論だ」
「・・・・・・もし、さっきお前が言っていた通り、本上が拷問されるかわりに犯されていたら、お前の大事な遺跡はアイツと男の精液まみれに」
「遺跡までの地図はこれだ。さっさと本上を見つけろ」
地図まで持っていたらしく、和泉は克己の口車に乗ってあっさりとそれを公表した。何だか奇妙な感じにまとまりつつあるグループに一抹の不安を覚えながらも、その地図を眺める。
「そして本上を見つけたら俺に言え。気が済むまで殴る」
和泉の眼は本気だ。気が済んだ時は本上があの世へと行ってしまうのでは無いだろうか。
「この、真ん中の広い部屋に“氷の女王”はあるんだな?」
木戸が話を逸らそうと地図の中で一番広いと思われる部屋を指差すと、和泉は肩を竦めた。
「さぁな。そんな簡単に見つかるような代物だったら苦労していない」
「木戸、とりあえず宝探しは後回しで本上救出の方を考えよう」
一番の目的はそれだ。翔の言葉に木戸は頷き、他の誰も異論を唱えなかった。
何とかなりそうだな。
そう翔が思った時、何故か頭の中がぐらりと揺れたような感覚があったが、特に気に留めることなくそこから出発した。
目指すは、遺跡へと繋がる洞窟だった。



『仲間は何人いる?答えないとずっとこのまま・・・・・・』
くすりと笑うその息にさえも身を震わせ、本上は顔も解からない相手に涙で濡れた目で訴えた。
「おねが、ぃ」
喘ぐような口に男は覆面の下だけれど笑みを浮かべたようだ。
『聞こえないなぁ?何人いるんだ?』
「ひとり。僕の仲間は、甲賀さん、だけ・・・・・・っ」
『嘘を吐くなよ。もっと居るよね?』
「あぁ・・・・・・っん、やぁ、くすぐった・・・・・・っ」

『・・・・・・』
『・・・・・・』
『・・・・・・』
『・・・・・・ブラウン、お前もう良いからソレ止めろ』
耐え切れなくなった仲間の一人が一歩引いた感じでブラウンを止めた。彼は本上を上半身肌蹴させ、一体何処から持ってきたのか知らないが、猫じゃらしであちこちくすぐっていた。
確かに、くすぐるという行為も拷問になることはなるのだが、本上の声がいけない。無駄に甘い声で、しかも洞窟内だからとても響き、侵入者が居ればその声を頼りにここまで着いてしまうんじゃないかという音量だった。
『えー。楽しいのに。ブラックもやってみなよ』
ブラウンは楽しいらしく、止められたことを不満に感じたらしい。頭痛を感じたリーダー格の男、ブラックは頭を押さえながら地図を見直す。
『・・・・・・まだ、女王は見つからないのか。全く、こんな地図一つではどこを探せば良いのやら』
一応彼らは現在地図で一番広い場所に居た。祭壇らしきものもあるから、礼拝堂か何かだったのだろうか。
何本かある巨大な柱に本上を縛り付けたは良いものの、ブラウンの玩具と化している。まぁ、それは良いのだが・・・・・・助けに来るかもしれない彼の仲間と鉢合わせをするのが、嫌だった。
だからさっさと宝を奪い、誰にも邪魔されることなく去る。それが今回ブラックの計画の主旨だったのだ。
いらない喧嘩はしないほうが良い。
『レッド、ブルー、ここにもいくつか爆弾を仕掛けとけよ』



雪は天使の羽。
昔、どこかで聞いた童話を思い出しながら、滅多に見れない銀世界を歩く。
天使の羽と言える様な可愛らしいものでは無いような気がするが。昨日の吹雪は天地が怒り狂っているのかと思うほど酷かった。
「雪が天使の羽なら、ここの村は天使に守られた村だな」
ふ、と皮肉な笑みを浮かべる和泉が呟いた台詞に一体どんな意味があったのかは解からない。聞いたところで教えてくれるとは思えなかった。
けれど、後で知ったことは、ここの土地の村は大分貧困に喘いでいた、という話。

翔が自分の体の変調に気付いたのは、洞窟から出て20分くらい経った辺りで、だった。
今日は昨日と違って天気が良く、太陽光が雪を反射し眼に刺さる眩しさだったのだが、前を歩く木戸との距離が離れていっているように見えるのは気のせいじゃない。
最後尾にいるから、もっと急がないと。
足を速めても、雪に埋まった足を持ち上げるのは一苦労で、距離は縮まるどころか広がるばかり。
それに体が妙に重い。
そして、何だかとても寒い。
ふらふらする。
「翔」
最初にそれに気付いたのは前のほうを歩いていた克己で、わざわざ後ろまで戻ってきてくれた。
「どうした、大丈夫か?」
「ごめん、ちょっと疲れてきたかも。でもだいじょぶ」
まさか、雪山に上ることになるとは思わなかったから。
道なき道を歩いてきたからだろうと自分でも思っていた。前を歩いている中村の泣き声に近い声と、それを励ます木戸の声も聞こえてきたから、疲れているのは自分だけでは無い。
「・・・・・・本上の声が聞こえないか?」
そんな時、木戸がかすかに聞こえるその声に気付き、彼が先頭に立って歩き始めた。しばらくして翔達にもその声がはっきりと聞こえてくるようになる。
「本当だ、本上君だ」
中村もほっとしたような声を上げた、が何だかよくよく聞いてみるとその声が何だか妖しい。
「あん、や・・・・・・っそこはだめぇ!そ、そんな事されたら、ぼく、ぼく・・・・・・っあぁあぁん!や、き、きもちぃい・・・・・・」
あはんうふんなピンク色の声に一同、勿論和泉も含めて凍りついていた。
あからさまに拷問とは思えない愉悦の声だ。茫然とした後で、一体寒い中歩いてきた自分達の苦労は何だったんだろうと思うと怒りが込み上げてくる。
「・・・・・・助けなくても良くないか?」
まず口を開いたのは克己で、木戸も唖然としながら頷いた。流石の彼も一時でも心配した自分が馬鹿らしくなったのかもしれない。
「で、でももしかしたら酷い拷問されて」
翔が慌ててフォローをしたが、そんなフォローを台無しにするような声が再び聞こえてくる。
顔見知りの相手のそんな声を聞いてしまった翔の顔は紅潮してきていた。
「本上君・・・・・・結構色っぽい声上げるね。僕も負けないぞ!」
中村は中村で良く解からない事を言っているし。
「殺す・・・・・・」
和泉は地獄から聞こえてくるような声を出してナイフを握っていた。彼は本気だ。
『いちにーさんし、ごっ。5名様氷の神殿にごあんなーい、かな?』
「うるさい、黙れ!」
ガッ!
突然横から聞こえてきた変声機を通した声に苛立ちを感じた和泉はそこに向かって持っていたナイフを投げつけていた。ナイフは男の頬部分をかすめ、木に刺さり、反動で揺れた枝に積もっていた雪がばさばさ落ちる。
男が覆面をしていなかったら、刀剣評価SSのその腕で投げられたナイフで顔を切られただろうが、和泉はそんな事を残念に思うことなく洞窟の方を睨んでいる。
「あの色魔・・・・・・二目と観られない顔にしてやる」
『・・・・・・いや、あのさ、お客さん』
「あはは、本上の顔が二目と観られないものになったら、アイツ自殺しそうだから止めとけ」
木戸も乾いた笑いをしつつも、眼が笑っていない。
全く相手にされていないことに、男は首を傾げた。
『・・・・・・お前ら、アイツ助けに来たんじゃねぇのかよ』
かちり。
聴きなれた音にはっと顔を上げれば、翔の目の前に銃口があった。克己は平然と自分の前にあるそれを眺めていたが、気付けば周りを覆面の男達に囲まれている。
『さぁさ、大人しくついて来てもらいましょうか?』
一人がそういうと他の男達がいっせいに銃を突き付けてきた。
「・・・・・・散れ!」
けれどすぐに和泉が隣りにいた中村の腕から蛇を取り上げ、それを敵に投げつけた。蛇を投げつけられて冷静でいられる人間は珍しく、当然投げられた男は慌てたような悲鳴をあげ、そこに隙が生じる。
「ちょ、僕の友達に何」
慌てる中村を木戸が腕を引き、何が起きたのか付いていけなかった翔の腕を克己が引っ張っていく。
「走れ!」
とにかく、走った。足がもつれそうになりながらも、雪の中に転びそうになりながらも必死に。
気付いたら、自分達を制止する声が聞こえなくなっていた。
「ここまで来たらもう良いだろう」
結局木戸たちとははぐれてしまったが、克己も我武者羅に走ってきたわけではない。戻れと言われたらすぐにあの洞窟の前に戻ることは出来る。
「かつ、おま、走るの速すぎっ」
というか足の長さからして違うんだから、そこら辺少し考慮して欲しい。
息を切らせながら文句を言う翔に「悪い」と一言だけ謝って克己もその場に座った。
「あまり留まってもいられないぞ。雪に足跡が残ってるからな」
「あ、そか・・・・・・」
「先を急ごう。とりあえず、夜になるまでどこかで」
その時、もう引く必要の無くなった手がぱっと離された時妙に寂しさを覚えた。
二重の手袋越しだったけれど、僅かに感じることの出来た体温がふっと無くなり、寒い。
「な、克己」
「何だ?」
「・・・・・・手、繋いでたら駄目か?」
気付いたらそんな事を口にしていた。
何言ってるんだろう、という自覚はあったけれど。
「どうした?疲れたのか」
「あ、うん・・・・・・何か、体重いしそれに、何か寒くて。歩く時なんかふらふらするんだ」
訴えるように克己を見上げると何だか妙な顔をされた。不思議そうというか怪訝な顔、というか。
少しして何を思ったのか、克己が手袋を外した手で翔の頬に触れた。そしてその手は首まで下がってくる。その手の冷たさに思わず体を揺らしていたが
「・・・・・・お前、熱があるな」
熱?
何のことだと克己をもう一度見上げて気付いた彼の背後の影。
「克己!」




「あー・・・・・・くっそ、見事にはぐれたな」
木戸は白い風景を振り返りながら、今どこにいるのかも解からない仲間を心配する。和泉は単独行動の方が気楽だと思っていそうだし、翔と克己は共に逃げるのが見えたから心配する必要は無いか。
「じ、ジミィィィィィ・・・・・・」
そして無理矢理連れてきた中村は、和泉が敵に投げつけた蛇を思って泣いていた。もしかして、一番危ういグループは自分達?あまりにも考えたくない事実だった。
「ったく、中村・・・・・・お前なぁ」
「木戸君は心配じゃないの?」
ぐすりと鼻を鳴らしながら中村はとぼけたことを言ってくる。何故自分が中村の蛇の心配をしなければならない・・・・・・と口にしたらきっと彼は怒り狂うんだろうが。
「日向君の事」
けれど、中村が意図していたのは違う人物のこと。
「日向は甲賀が一緒だから大丈夫だろ」
「甲賀君が一緒だから、だよ」
「何で?」
あの甲賀克己が一緒だったら別に心配することなんて何も無いじゃないか。
けれど、聞き返してきた木戸に中村はため息を吐いた。
「木戸君、日向君の事好きなんじゃないの?」
「・・・・・・はァ?」
いきなりの台詞に、木戸は大きく眼を見開いて間抜けな声を上げてしまう。
自分が、翔を?
思わず大声で笑ってしまった自分の心境を、察して欲しい。
「ちょ、何、木戸君!!?」
「あー、やべ、すっげ笑える・・・・・・」
敵に見つかってしまいそうだったから、すぐに笑うのを堪えたけれど、なかなか腹筋の方は落ち着いてくれなくいまだに腹から笑いが込み上げてくる。
ひーひー笑う木戸に、中村は自分の勘違いに気がついたらしく、何だ違うのかという顔。その間抜けな顔が更に木戸の笑いを誘う。
「俺が、翔を、ねぇ・・・・・・」
クスクス笑うその顔は、勘違いをしていた中村に対して怒るわけでもなく、どこか楽しげだ。
「ま、とりあえず本上助けに行こうか。どうせあの遺跡に行けばみんなに会えるだろうし」
「ジミーもそこにいるかもしれないし!」
中村は絶対本上より蛇の方を心配している。
まぁ、それぞれ目的がばらばらでも目指すものが一緒だったら、チームワークなんか無くても何とかなるかも知れないという良い例か。
ここまで走ってきた足跡を辿る為にくるりと方向転換し、目の前にあった木の枝をそっと避ける。しなった枝から粉雪がぱさりと空気に散った。
綺麗な白で視界が埋め尽くされていた。穢れの無いその色は眩しすぎて直視することが難しい。
「なぁ、中村」
けれど誰にも踏まれることの無かった雪は今はこうして自分達の足跡をしっかりと残している。
踏むたびに聞こえるさくりという音はまるで小さな悲鳴。
「俺って、そんなに解かりやすい?」




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本編よりはBL度高め。