「でかい体がぐったりしているところ程うっとおしいモノはないですね」

 遠也が克己の状態に冷たい事を言う。

 今は暗号解読の時間だが、担当教官が出張で不在の為自習時間になっていた。

 自習課題は勿論暗号の解読。

「多分、熱39度は有ると思うんだけど・・・・・・」

 翔の心配そうな声に大志が一言

「甲賀お前帰れ」

「そうさせたいんだけど・・・・・・」

 翔はため息を吐いた。

 先程教官室に行って担任に早退願いをすれば

『へえ〜あの甲賀が。駄目。戦場でだって体調壊す可能性はあるんだからな、良い経験になるだろう』

 あっさり拒否されてしまった。

「甲賀が熱〜〜?鬼の霍乱かよ」

 さっさと自習課題を終わらせた正紀が見せ物を観るような目でぐったりしている克己を眺めた。

「なぁ、遠也風邪薬とか、無い?」

 医者関係は遠也だと翔は彼を振り返る。が

「甲賀にあげるようなモノは持ち合わせていません」

 彼はあまり克己と仲が良くない。

「そこを何とか!」

 両手を合わせて頼むと遠也は渋々立ち上がり、教室から出て行った。

 多分、薬を持ってきてくれるのだろう。

「克己、耐えろ!もうすぐ楽になれるからな!」


 次の時間が一番問題なのだが・・・・・・。



















遠也!!