「嫌だ!」
目の前に置かれたのはスカート。しかもセーラー服だ。丈も短い。
「大丈夫だ。翔なら似合う。自信を持て」
そう言いながら、どこから用意したのか女性モノの下着まで差し出してくるのは恋人である克己だ。しかしいくら恋人とは言え、ホワイトデーのお返しに真顔でイメクラをリクエストする恋人など持った記憶は無い。
「バレンタイン、ちゃんとやっただろ!」
「あぁ、確かに受け取ったな」
「じゃなんで着ろってそんな服寄越すんだよ!」
あり得ない!そう首を振る翔に克己は、ごく自然に翔の手に下着を渡しつつ告げた。
「俺からのお返しだ。日向」「普通はマシュマロだろ!」
「型にこだわっていたら何も伝わらないだろ」
「なにカッコつけちゃってるの、この人!」
渡された下着を捨てる事も出来ず、そのお陰で痛む頭を抑える事も出来ずに翔はうろたえる。どこかに頭のネジを何本か忘れてきたんじゃなかろうかと思う位に爽やかな笑みが腹立たしい。
「さ、だから着てくれ」
「いや、着ねーし!」
翔はベッドの上に皺を伸ばすように広げられたセーラー服の上に渡された女性ものの下着も律義に揃えて、置いた。そして、どうして着ないんだと膨れる克己に向かってビシッと指を指すと一言。
「セーラー服着るの勘弁だから、これで我慢しろ!」
何だ?と克己が翔を見る中、翔は右腕の肘を上げ手の平は頭の後ろへ、左手は曲げて腰に添えた。その腰はしなやかなボディラインが出るようにくねらせる。そして。
「うっふん!」



笑わせて頂きました。有り難う御座います。うっふん!色気無いな!!(笑)
お互いに共通したお題が「大人向け」「うっふんorあっはん」を言わせる。だったのです。
何はともあれ、無理を承知でお願いしたのを引き受けて頂けたうえに、このような面白いものを頂けて嬉しいです!