情報部に行く



「今日は女の子の特別な日、聖バレンタインデー。
 貴方は気になるあの子に告白をする為に、手作りのチョコレートを持ってあの伝説の木の下へと向かいます。
 話は2週間前に遡ります。
 貴方は偶然彼と出会い、恋をします。そこから始まるラブストーリー!なんてのはどうだ!」
「良いですね、部長!これで情報部の予算も潤いますよ!」
「登場人物は誰がいいかな……この間学校の人気アンケートを取ったが……やはり生徒会の諸君は外せないな」
「でも、協力してくれますかねぇ」
「学校の経済が潤うネタに生徒会が喰い付いて来ないわけがないだろう。大丈夫だ、絶対にこのプロジェクトは成功させてみせる!」
「はい、部長!俺は貴方についていきますよ!」
「とりあえず、本日バレンタインデーの人気男子生徒をチェックしてこないといけないな、彼らにはプロジェクトに参加してもらわねば!」
「抜け目の無い部長が素敵です!発売日は4月1日ってことでよろしいですね!」
「そこで覗き見ている君!悪いが僕らは忙しい。だが、このゲームが出たあかつきには是非購入してくれ!」
「マルチエンディング式で、主人公が男か女か選べるようにしますよ!NLもBLも思うがまま!」
「声も本人に演じてもらうからな、現実の相手を口説く前に、ゲームの中で練習したほうがいいんじゃないか?」
「なるほど、そういう使い方もありますか!流石部長!」
「この情報部に死角無し!」

 ははははは、と高笑いがひたすら響く情報部の扉を開ける気にはならなかった。

終。



BADED。
4月1日をお楽しみに。(ぇ

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