林に聞く。
あら?貴方だぁれー?可愛い顔に大きな胸ねぇ……んんー!ム・カ・ツ・ク!
えぇ?なぁに?甲賀くんと日向君の事が聞きたいの?やぁね、私だってあの二人にチョコレートあげようと思ってるのよ!ライバルに話すことなんて何もないわ、ぷん!
ライバルとも思えないですってぇ?ちょっと何笑ってるのよこの小娘!キィィーッ!言いたいことがあるなら言えばいいじゃない!
あらあらら、いけないいけない。お里がしれちゃうわ。コホン、失礼。
なぁに?そんなに聞きたい?仕方ないわねぇ……ちょっと聞いてよ!私見ちゃったのよ!この間ってばねぇ、あの二人、教室でキスしてたのよ、キ・ス!
え?あの二人が誰かって?甲賀くんと日向くんよ。あんたが聞いて来たんでしょ。
こう、ね?甲賀くんが床に座って、日向くんがその膝の上に座って、ちゅーっと。2分くらいはしてたんじゃないかしら。時々聞こえる日向くんの声が可愛くってねぇー……。私も興奮しそうだったわ。
甲賀くんなんてあれは結構Sっ気あるわね、キスの時眼を閉じないで日向くんの顔見てるのよー。私Sの男ってたまらなく好きなのよ……ふふ。
うふふふふふふふふふふ。
え?何、気持ち悪い?駄目よ、そんな偏見持っちゃ……え?何、気持ち悪いのは私?うっさいわよ小娘。
やっぱり翔くんはまだまだウブなのよね、きっと……キスなんて全然慣れてなかったっぽいし。ソレに対してどこか余裕な顔の甲賀くんがまたカッコいいのよねぇー。キスの合間に腰撫でたり、ボタン外してたりしたし……。ああ、ほんと上手いのよねー。あんなことされちゃ、日向くんでなくても腰砕けちゃうわ!
「おい、克己……こんなところで」
キスで息を荒くしたまま声を出すのは煽り以外の何物でもないのに、日向くんってば甲賀くんのこと睨むのよー。可愛いったらもう……。
「最後までするつもりはない」
「当然だろ」
それだけ会話をして今度は日向くんの身体を机の上に移動させてたわ。アレは最後までやらなくても途中までやる気ね!と思ったの!貴方も思うでしょ!?
こりゃあ、混ざるしかないわ!って思ってドアを開けようとしたら、甲賀くんがこっちに向かって思い切り椅子を蹴り飛ばしてきたの。勿論、椅子はドアに当たって物凄い音を立てていたわ。
「克己!?」
「ああ、椅子邪魔だったからな」
「それにしたって……!誰かがこっちに来たらどうするんだよ」
「いや、誰も来ない。一時間は誰も来ない。絶対にな」
甲賀くんはそう言い切って、私の方を物凄い目で睨んできたの。まるで、私にこの教室に誰も来ないようにしろというようにね……。でなければ殺すって眼だったわ、あれ。
だから、断腸の思いでそこから離れて、今の音で驚いた人達を足止めしたの……一時間。
ああ、本当に勿体ないことをしたわ……。私も混ざりたかったのに……二人だけでずるいわよねぇ?
だから、今年のバレンタインにかけるのよ!私は!甲賀くんに抱かれ隊!日向くんを抱き隊!3Pでも良いわ!
うふふふふふ、だからごめんね、アンタみたいな小娘はお呼びじゃないのよ〜〜。
さぁて、身体にチョコレート塗らなきゃ。
あの二人のこと聞きたかったら、そぅねぇ……三宅なんか良いネタ持ってんじゃないかしら?
じゃあね。
→三宅大志のところへ行く。
→彼の話は当てにならないから別な人間を探す。